今はコールセンターのオペレーターとして働いている私ですが、社会人として働きはじめたばかりの頃は、電話を受けるのがとても苦手でした。
相手の話すことがうまく聞き取れなかったり、自分がおかしなことを言ってしまわないか緊張してうまく話せなかったりするのが嫌で嫌で。
職場で電話のベルが鳴るのがこわかったですね。
それが、今ではクレームも含めて日に50件近くの電話応対をしているのですから、人生というのはわからないものですわ。
今回は、あの頃の自分に教えてあげたい「電話応対ってそんなにこわくないよ」というお話です。
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電話がこわい理由と克服する方法
人と話すこと自体はそれほどでもないのに、電話となると、とたんに苦手意識を感じてしまうのはどうしてなのか。
私自身は、こんな感じでした。
- 1対1で話さなくてはならないので、失敗しても誰にもフォローしてもらえないのがこわい
- 相手の表情が見えないので、自分がどう思われているかわからないのが不安
電話をかけてくる相手は、出た自分が社会に出たばかりのド新人であることなどわかりませんから、当然、仕事ができるプロとしての対応を求めてきます。
対面した状態であれば、見た目などから判断して大目に見てもらえる部分があるかもしれません。
ですが、電話だと、声と言葉づかいと話した内容だけがすべてです。
こういう時、相手は、こちらを「まだ仕事をおぼえていない新人さん」と見てくれることは無く、「仕事ができない人」とジャッジされることがほとんどです。
ひどいと「あんたと話してると時間のムダだ」と言われ、他の人に代わるように要求されます。
先輩社員に対応を代わってもらえたとしても、自分はさぞかしつかえないやつだと思われるのだろう、と落ちこんでしまうかもしれません。
まだ仕事ができないという自覚があるから、ミスをするんじゃないかと不安なところにそういう経験を重ねてしまうと、余計に委縮してしまいますよね。
克服するには、慣れるしかありません。
あとは気の持ちようです。
こう書いてしまうと身もふたもない感じですが、でも、本当にそうなのですよ。
そもそも失敗しない人なんていないのですし。
仕事に不慣れで失敗するのがこわいのであれば、仕事に慣れるしかありません。
それでもミスをしてしまったのなら、修復できるようにがんばればよいのです。
うまくしゃべれるか不安なのであれば、本数を取って電話に慣れるしかありません。
一度も歌ったことが無い人が、突然プロのボーカリストのように歌えるわけがないのと同じです。
電話の相手を自分のステップアップに利用させてもらう、くらいの気持ちでいきましょう。
電話応対4つのポイント
頭に入れておくと役に立つポイントを4つ。
ビジネスマナーはいろいろとこまかくありますが、慣れるまではこれだけでも気をつけておくとらくになります。
定期的に声を出しておく
いきなり電話を取っても、それまでしゃべっていなかった時間が長いと、のどに何かがひっかかったようになってうまく声が出ない時があります。
独り言を言うのが恥ずかしいのであれば、たまに咳払いだけでもしておくとよいですよ。
メモとペンは必ず手元に置いておく
最初の頃にありがちなのが、受話器を取った瞬間に頭が真っ白になって何を言えばよいかわからなくなる、という状況。
心配であれば、「お待たせいたしました。(会社名)、(自分の名前)でございます」とメモに書いておいて、真っ白になった時はそれを読むようにしましょう。
棒読みだってかまいません。
黙っている方が、相手が不安になります。
ビジネスマナーでは、受ける時間帯や、出るまでに何回コール音が鳴ったかで第一声が変わるのですが、ぶっちゃけ「お待たせしました」と言われて悪い気がする人はいませんので、そう言っておけば間違いありません。
また、相手の名前や会社名、用件などもメモに書いておけば、うっかり忘れの防止にもなります。
相手の言ったことは復唱する
相手から聞き取ったことは、必ず復唱しましょう。
仕事相手の名前や連絡先など、メモに書いておけば忘れることはありませんが、それもちゃんと聞き取れていればこそです。
あと、けっこう相手も気づかずに言い間違いをしていることってあるのですよね。
復唱して、もし間違っていれば相手が訂正してくれますし、復唱すればメモを書く時間にも余裕ができます。
訂正された場合も、「たいへん失礼いたしました」と謝罪すれば悪い印象にはなりませんから大丈夫ですよ。
正確さ第一
正確さ、速さ、丁寧さなど、どれも大事ではありますが、1つしか選べないのであれば、正確さを最優先にしましょう。
不確かな情報をあやふやなままで話したりすれば、大きなトラブルになる危険があります。
質問に対して答える内容に自信が無いのであれば、何度でも保留にして、わかる人に確認を取りましょう。
また、相手が早口だったり、声が遠くて内容が聞き取れなかった時ですが、ちゃんと聞き取れるまで何回でも聞き直しましょう。
時間がかかることでクレームになる可能性はありますが、それでも、わかったふりをして結局間違えるよりははるかにマシです。
クレームの電話を受けてしまったら
電話応対をしていると、たまに、受話器を取った瞬間から相手の怒りゲージがMAXになっていることもあるかと思います。
いきなり知らない人から大声で罵られたりしたら、こわいですよね。
いつも以上に緊張してしまう状況ではありますが、まず考えてほしいのは、その人は自分に対して怒っているのではない、ということです。
クレームには、受け手である自分たち側に原因がある場合と、相手側が理不尽な要求をしている場合とがありますが、そのどちらも、原因は自分ではないのです。
気休めのように思えるかもしれませんが、実際、私自身がコールセンターでクレームの対応をする時に念頭に置いていることです。
こわい、という感情はなかなかぬぐえませんので、対応中に声が震えたり、言葉がうまく出てこない時もあります。
でも、例えばこちらの会社の商品やサービスに問題があって怒っているのであれば、相手は被害者なのですよね。
相手だって、怒りたくて怒っているのではないのです。
まずは相手の話をよく聴きましょう。
上手な対応なんてできなくてもよいのです。
必要なのは誠意です。
どうしようもない時は、いったん保留にして、深呼吸しましょう。
こうしてワンクッションおくと、相手も少し落ち着いていることがよくあります。
もし、クレームの内容が、例えば「商品を購入したけれどもお金が無いから払いたくない」というようなものであれば、それこそ気にするのはばかばかしいです。
対応はしなければなりませんが、心の中では「世の中には変わった人がいるなー」で済ませてしまえばよいですよ。
よかったら、【仕事の合間の気分転換】嫌なことを早めに忘れる方法という記事もあわせて読んでみてください。