カスタマーセンター、サポートセンターなど呼び方はいろいろありますが、企業への電話での問い合わせ窓口がコールセンターです。
私はライフライン系企業のコールセンターで5年以上勤務した経験があるのですが、働きはじめるまでは、こういったところに電話をかけるのがとても苦手でした。
まず、つながりにくい。
そして、何から話せばいいかわからないが故に、うまく話せなくててもどかしい。
更に、たらいまわしにされるなど、期待していた対応をしてもらえない、などなど。
ちなみにライフラインとは、「電気やガス、水道などの公共公益設備」、「電話やインターネットなどの通信設備」、「鉄道などの物流機関」のことをさします。
あきらかにオペレーターの対応がひどい、ということも無くは無いのですが、電話をかける側が知っておくと解消できるポイントもいくつかあります。
今回は、引っ越しの手続きや問い合わせなどで、ライフライン系のコールセンターへ連絡する時のポイントを書いてみようと思います。
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電話をかける前に
お客様番号を用意しよう
既に契約をしているのであれば、お客様番号や使用者番号、お客様IDといったものが発行されています。
コールセンターで何らかの手続きをする時や、契約内容に関わる問い合わせをする場合には、まず最初にこれをきかれることが多いです。
勝手に他人がなりすまして手続きを行えないように、契約者かどうかを確認するためなのですが、お客様番号がわかっていると、この本人確認がスムーズにできるからなのですね。
本人確認では契約者名などの個人情報もきかれますが、お客様番号がわからないと、ここできかれる項目が増えますし、本人確認が成立しないと受付をしてもらえません。
せっかくつながったのに、またかけ直すなどという事態は避けたいですよね。
コールセンター側も、いじわるで言っているわけではありません。
個人情報の保護は、お客様の権利や財産を守るために必要なことで、そのために行っている対応なのです。
実際にオペレーターとして対応していると、住所がほんの少し間違っていて、「おそらく区画整理か何かがあったのに、前の住所のままで申告してるんだろうな」とか、契約者名を個人の名前で申告してきていて、「たぶん経営者なんだろうけど、登録されているのは法人名義なんだよなぁ」とか、微妙に残念なケースが非常に多い。
ただ、ここをあいまいにすれば、例えば、ストーカーがターゲットになりすまして個人情報を手に入れる、などということも起こり得てしまいます。
ですので、コールセンター側も、ここは譲れない。
ちなみに、お客様番号がわからない場合は、支払い方法や生年月日、事前に登録してある秘密の質問などがきかれますが、何をきかれるかは企業ごとに違います。
とっさに答えられない人もけっこういますので、お客様番号を用意しておくにこしたことはありません。
お客様番号は、検針票(使用料のお知らせ)や、料金の明細表などで確認できますので、支払いが終わった明細を1枚だけでも保管しておくか、またはメモなどに番号を書きとめておきましょう。
余談ですが、電気やガスの検針票には、トラブルの際の緊急連絡先の電話番号も書かれているので、私的には検針票を取っておくのがおすすめ。
新規で契約する場合や、契約内容に関わらない一般的な問い合わせであれば、お客様番号は必要無いので、そういう時は気軽に電話しちゃいましょう。
誰が連絡する?
ベストなのは、契約者本人が連絡することです。
ただ、そうも言ってられない場合もありますよね。
情報の開示や手続きの受付について、本人以外の人が連絡してもOKな場合と、NGになる場合の線引きは、企業ごとに異なります。
本人以外は完全NGだったり、配偶者ならOKだったり、一親等の家族までならOKなど、本当にさまざまです。
基本的に、新規で契約する場合などはゆるめですが、支払いや解約に関係する内容については厳しめに設定されていると考えましょう。
のっぴきならない事情があるなら、他人からの連絡でも受け付けてもらえる場合がありますので、まずは相談がてら連絡してみるのがおすすめです。
ダメな場合でも、どうしたらよいか案内してもらえます。
もちろん、手続きが可能な間柄の人からの連絡であったとしても、本人確認がとれなければ受付はできませんので、他の人に連絡をお願いする時には必要な情報を伝えてあげてくださいね。
電話をする時
つながりやすい時間はあるか
5年以上コールセンターで働いた経験があっても、これは本当に読みづらいです。
企業側も、電話が多い季節や曜日、時間帯などを予測して人員を配置しているのですが、その日その日でけっこう違う、というのが正直な印象です。
不思議なもので、電話がかかってこない時はまったくの0の状態が10分以上続いたりするのに、いざかかってくると、一気に30人待ちくらいになったりするのですよね。
どんな企業かや、コールセンターの営業時間にもよりますが、営業開始直後と、お昼休憩の終わりかけから終わった直後である13時前後は、比較的かかりやすいのではないかと思います。
ぶっちゃけ、あなたが電話をかけやすい時間は、他の人もかけやすいのですよ。
ちなみに、つながらないから、と何度もかけ直す人がいるようですが、この方法はあまりおすすめできません。
電話がつながるまでの保留時間を、行列だと考えてみてください。
行列から離れてしまったら、また最初から並び直しになりますよね。
列の長さがわからなくて苦痛だとは思いますが、センター側では順番につないでいますので、そのまま少し待ってみてください。
ただし、繁忙期には10分待ちになったりすることもあるので、これが最善策と言いきれないのが難しいところです。
何から話せばよいか
オペレーターとしては、まず最初に、簡単な内容を話してもらえると助かります。
話を聞いて、契約内容を確認した方がよい場合は本人確認にうつりますので、あとはオペレーターがきいてくることを答えていけばOKです。
インターネットから行った手続きについて
インターネットで手続きをした内容についての確認や、申し込み内容の変更について、電話で連絡をする場合があると思います。
誤解されがちなのですが、インターネットで登録した情報は、コールセンターに瞬時に送られるわけではありません。
いや、もしかしたらあるのかもしれませんが、私は聞いたことがありません。
インターネットでの手続きは、メールやFAXと同じで、基本的には、送信されてきた内容を人の手で正式な情報として入力しているところが多いと思います。
ですので、たった今、ネットから送信した内容が間違ってしまったから修正してくれ、と言われても、そもそも元の情報をコールセンターでは確認できないのです。
あ、反映までタイムラグがある、というだけなので、受付ができないというわけではありません。
連絡する際は、ネットから手続きを行った日時や申込番号などがわかると対応がスムーズですよ。
苦情を言う場合
苦情を言うために連絡したのに、「コールセンターではらちがあかない」と感じたり、ここではわからないから、とたらいまわしにされた経験はあるでしょうか。
自分自身も電話をかける側として経験のあることなので、気持ちはとてもよくわかります。
ちょっと内訳をお話ししますね。
まず、たらいまわしに合うパターンとしては、対応したオペレーターが内容を理解できないがために、お客様の意図をくみ取れず、間違った案内をしてしまった、ということが考えられます。
これは、対応したオペレーターがまだ新人だった、という可能性もありますが、ベテランでも、限られた内容に特化した受付スキルを持っていて、たまたまスキル外の内容についての話になってしまった、ということもあり得ます。
回避するには、まず、電話をかける時ですが、自動音声のアナウンスが流れると思います。
あれを全部聞くのはたいへんですが、アナウンス内容をしっかり聞いて番号を選び、適正な部署に電話がつながるようにするだけでも回避率は高くなりますよ。
まぁ、スキル云々以前の人もたまにいますけれども。
また、コールセンターへ連絡しただけでは問題が解決しなかったり、その場ですぐに対応してもらえない時。
コールセンターは企業から委託された業者であることが多く、深刻な内容については受付をするのみで、実際の対応は企業側が行う場合があります。
担当から折り返し連絡します、というパターンはこれが多いです。
コールセンターの営業時間が例え24時間体制であったとしても、企業側の営業時間は9時から17時までなので、連絡した時間帯によっては、翌日とか週明けの折り返し対応になります。
この案内をする度に、困ってるから連絡してきてるのになぁ、と申し訳ない気持ちになりますが、これは、コールセンター側ではどうにもならないのです。
ただ、折り返しの連絡がきても満足な対応をしてもらえなかった、ということもあるかもしれません。
そういう時は、まず、折り返しの連絡がきた時に、担当者への直通など、コールセンター以外の連絡先がないかを聞き出しましょう。
あとになって「やっぱり納得できない」という時は、再度コールセンターに連絡してください。
正直にそう伝えれば、また何らかの対応をしてもらえますよ。