陽明門のアップでこんにちは。
ところで皆さん、日光東照宮って行ったことありますか?
世界遺産なんだから一度は見ておくか、と思い立ったり、学校行事で連れて行かれたりと、一度は行ったことのある人って多いのではないでしょうか。
同時に、二度目はまだ無い、という人も多いのではないでしょうか。
もちろん、まだ行ったことがない、という人もいるでしょう。
現在は大がかりな修繕作業が行われているため、在りし日の姿そのままとはいきませんが、腐っても(失礼)世界遺産、それでも見ごたえは十分あります。
今回は、私と一緒に頭の中で日光東照宮に出かけてみましょう。
そして、いつか本当に出かけてくれると嬉しいです。
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出かける前に
アクセス
日光東照宮の最寄り駅は、JR日光駅、または東武線の東武日光駅になります。
駅前から東照宮のある日光山まではバスが出ており、東照宮付近まで10分弱で到着できますが。
ただし、それはオフシーズンの話。
初詣の時期やゴールデンウィーク、紅葉の季節などはめちゃくちゃ混むので、ヘタすると10分かからないこの距離が90分かかったりすることもありますのでご注意を。
徒歩の場合はゆるーい坂道をたらたらのぼって行っても30分ほどです。
服装
東照宮付近の標高は600M以上あるので、「山登りに行く」という気持ちで準備すれば間違いなし。
高地なので、直射日光はきついけれど、気温は低めですので、温度調節しやすい服装がよいですね。
東照宮内の奥宮は200段以上の石段が待ちかまえてますし、腰をおろして休憩できる場所はとても少ないので、足元も歩きやすい靴推奨。
冬は雪も多いですし。
しかも、靴を脱がないと拝観できない場所があるので、脱ぎ履きしやすい靴がおすすめです。
ちなみにスリッパとかはありませんから、冬場は厚手の靴下で行かないと足が凍りつきます。
また、杉並木が有名な地域でもありますので、春先は花粉症対策もお忘れなく。
トイレとコインロッカー
東照宮はゆっくり回ると2時間弱くらいかかります。
トイレは、東照宮に入る前であれば、駐車場付近に必ずあります。
中に入った後は、入館券をもぎる表門を入ってすぐのところくらいしかないので、なるべく中に入る前にすませておきましょう。
荷物を預けたい場合は、表参道ににあるお土産屋さんの脇にコインロッカーがありますが、手荷物サイズのみなので、大きなものは東武日光駅にあるロッカーを利用した方がいいです。
拝観時間と料金
4月から10月までは8時から17時、11月から3月までは8時から16時までで、受付は閉門30分前までです。
(ただし、2020年2月からは開門時間が9時からに変更になります)
料金は大人1,300円、小・中学生450円。
宝物館などの入場券とセットで購入すると少し割引になります。
いざ出発
表門をくぐる前に
右手に日光山輪王寺をながめながら表参道をすすむと、まずは石柱に葵の御紋と「東照宮」の名が記された社号標がお出迎え。
そして、石段の先にどどーんと石造りの鳥居がそびえ立ちます。
1618年に奉納されたこの鳥居、実際の高さは9mなのですが、目の前にある石段の幅を、鳥居に近い方を狭くして、遠近法によって更に大きく見えるように工夫されています。
ちなみにこの石段、10段目の真ん中あたりに照降石(てりふりいし)と言って、1枚なのに赤と緑の石を斜めに組み合わせたように見える石があるので、探してみてください。
鳥居をくぐると、左手には五重塔が見えます。
1650年に奉納されたものの一度焼けてしまい、今あるのは1818年に再建されたものです。
この五重塔、中心の心柱が宙に浮いているという特殊な造り。
高い耐震機能があり、東京スカイツリーにも活かされているそうで。
以前は内部は非公開でしたが、スカイツリー開業記念に合わせて見学ができるようになりました。
公開期限は未定なのですが、また非公開になってしまうかもしれないので、一度は見ておくのもいいと思います。
五重塔の目の前に受付があり、拝観料を支払うと、至近距離まで近づくことが可能です。
拝観料は、一般300円、小人200円。
これは東照宮とは別料金です。
(以前はクリアファイルがおまけでもらえたんですが、最近はどうなんだろう?)
まずは、屋根の裏側を見てみましょう。
下からの4層は和様、最上層は唐様の造りになっているので、よく見ると、垂木の向きが違っていることに気が付きます。
次に、塔の周囲をぐるりと1周。
1層目の扉の上付近に、1面に3種類ずつ、干支の動物が彫刻されています。
正面である東は虎とうさぎと竜、南は蛇と馬と羊、西は猿と鶏と犬、北はイノシシとネズミと牛。
この配置、方角に合わせてあるんでしょうが、初代将軍徳川家康は寅年、2代目秀忠は卯年、3代目家光は辰年生まれ、ということを知っていると、またおもしろい。
最後に西側に戻って、開放されている扉から内部を見学しましょう。
直径60cm、金箔で覆われたまばゆい心柱を見ることができます。
縁の下をのぞくと、心柱が宙に浮いているところを見ることもできます。
ただし、塔内部は撮影禁止ですのでご注意ください。
五重塔を堪能したら、東照宮表門の手前にある受付所で拝観料を支払い、拝観券を受け取りましょう。
いよいよ日光東照宮です。
ところで日光東照宮って何?
徳川幕府初代将軍家康のお墓です。
家康は1616年に亡くなった際、別の場所に埋葬されましたが、1617年に現在の場所に移されました。
移したのは息子の2代目秀忠ですが、その時はわりと簡素な造りだったようです。
今のような社殿を建てたのは、3代目家光で、1636年のこと。
秀忠は東京都に埋葬されていますが、家光はちゃっかりおじいちゃんの墓のすぐ近くに自分の墓を設けました。
それが、東照宮の近くにある大猷院です。
おじいちゃん大好きだったんだな、家光。
正式に東照宮と呼ばれるようになったのは、宮号宣下が行われた1645年から。
(なんのこっちゃでしょうが、めちゃくちゃざっくり言うと、普通の神社からランクアップした、という感じですかね)
表門から坂下門まで
階段を昇って表門へ進むと、左右に仁王像がおわします。
が、拝観券のモギリをしている場所で人通りが絶えることがほとんどないので、ゆっくり見物するのはちょっと難しい場所です。
はじめはそのまま門内に入ってしまって、門の裏側をじっくりながめ、仁王像を含めて表側は帰り際に門を出てから眺めるのがいいかもしれません。
ちなみに左側通行。
門自体の造りは(陽明門などに比べると)割合おちついた感じですが、唐獅子や牡丹など様々な彫刻で彩られています。
門内に入ると、右手に下神庫、正面に中神庫、左斜め前に上神庫があり、合わせて三神庫と呼ばれます。
お祭りで使う祭器などが納められている倉庫ですが、見どころは、上神庫の屋根近くにある想像の象。
2頭の象が向かい合うような形で描かれているのですが、想像で描いたというだけあって、尻尾が3本あったりします。
個人的には、目の形が…(笑)
でも、あの波型の「~」形の目って、仏像とかでよく見られる形なんですよね。
単なる動物ではなく、神の遣いとして描いたのであれば、わからなくもない。
ちなみに、下神庫と中神庫の間にある建物は、西浄と言って、神様用のトイレです。
上神庫で想像の象をたっぷりながめた後は、後ろをふり返りましょう。
三猿の彫刻でおなじみの、神厩舎があります。
厩舎、つまり、馬屋です。
ゴールデンウィークなどに行くと、実際に中に馬がいたりします。
さて、猿の彫刻ですが、建物正面にある見ザル言わザル聞かザルの三猿以外にも、厩舎の周囲をぐるりと取り囲む形でいろいろと彫られています。
生まれて、育って、出あって、子を産み、生まれたその子がまた育ち…といった感じでエンドレスなストーリー仕立て。
彫刻自体はあまり大きいものではないですし、有名なスポットなので、人出の多い時にはかなり混み合いますが、余裕があれば周囲をぐるりと回ってみましょう。
ちなみに、なんで馬のおうちに猿が彫られたかですが、猿が馬の守り神になると言われているからなんですね。
しかし、なんで猿が守り神なのか。
いろいろと説はあるようですが、個人的には、西遊記説を推したい。
まだ三蔵法師と旅に出る前、天界で暮らしていた頃ですが、孫悟空は馬の世話係だったんですよね。
まぁ、後にそれが不満で謀反を起こすんですが。
閑話休題。
神厩舎の隣には内番所があり、おみくじやお守りをいただくことができますが、ここは帰りにも通ることができるので、いったん素通りしましょう。
通り過ぎると、御水舎があります。
ほとんどの建造物は1636年に建てられたものですが、この御水舎の水盤は1618年に奉納されたもの。
雷獣や竜など、水に関連した彫刻が見られます。
さて、水舎ですから、お参りの前にここで口と手をすすいでいきましょう。
参拝のマナーとしては、1杯の柄杓の水で、まず手を片方ずつ洗い、手に受けた水で口をすすぎ、水を受けた手をもう一度洗い、最後に柄杓を傾けて柄の部分をすすぐ、というのがありますが、使い過ぎさえしなければ、あんまりこだわらなくてもいいんじゃないかな、と思います。
真冬の場合は水が凍りつくくらいなので、気合が必要です。
御水舎を左にすると、正面には陽明門がそびえ立ちます。
いつまで見ていても見飽きないということで、別名、日暮(ひぐらし)の門。
わーっと寄っていきたくなりますが、ちょっと待った。
実は、陽明門の手前には青銅製の鳥居があります。
この鳥居の中に陽明門がおさまる距離から、まずはながめてみましょう。
妙に絵になるんですよ、これが。
よく団体さんが集合写真を撮っているので、あんまりゆっくりできないかもしれませんが。
この青銅製の鳥居自体も、足元に蓮の花が刻まれていたりするので、陽明門への単なる通過点扱いされがちなんですけど、ちょっと見てあげてください。
鳥居の左手には輪蔵といって、お経の回転式書架がおさめられている場所があります。
回転式書架というのは、要するにお経がおさめられた本棚なんですけど、自分が動かなくても、棚の方を回せば目当てのお経が取り出せるという…イメージとしては、シャチハタを売ってるケースが近いかも。
残念ながら、内部は非公開です。
1回見てみたいなぁ、回転式書架。
ところで、東照宮の中を歩いていると、やたらと灯篭が目に付きます。
その中でも、鳥居の先の石段を昇って左にある廻灯篭は見ておくといいかもしれません。
1624年にオランダ東インド会社から奉納されたものですが、なんと、葵の御紋が逆さま。
故に、逆紋の回転灯篭とも呼ばれます。
日本の大名であれば、即刻おとりつぶしでしょうが、外国人ならしょうがねぇかー、ということで、特にお咎めは無しだったそうです。
廻灯篭のすぐそばには、右手に釣鐘をおさめる鐘楼、左手に太鼓をおさめる鼓楼が左右対称の体で建っています。
ここにも様々な動物などの彫刻があしらわれています。
そろそろ、彫刻ばっかり見ておなかいっぱいの頃合いですね。
左に折れた通路の先にある建物も気になりますが、そこは後回しにして、まっすぐ陽明門に進みましょう。
おなかいっぱいでも大丈夫、それでも見入ってしまう見事な彫刻が、これでもかと言わんばかりにてんこ盛りです。
陽明門の左右には回廊がのびていますが、こちらも極彩色でいろどられた彫刻が並びます。
陽明門をくぐって、ふり返ると、渦巻きのような模様があしらわれた白い柱がありますが、その内の1本は、模様が逆さまになっています。
魔除けの逆さ柱です。
物は完成してしまうと、後は滅んでいくのみ、ならば完成させまい、として逆さにされたのではないか、と言われています。
ちなみに逆さ柱は陽明門だけではなく、東照宮の他の場所にもあるんですよ。
さて、さすがにそろそろ彫刻続きでうんざりしてきた頃ではないでしょうか。
陽明門をくぐった先にある唐門や、左手にある神輿舎は後回しにして、もう少しシンプルな彫刻を見に行きましょう。
右手に進んで行くと、神楽殿や祈祷殿の間に坂下門がありますが、そこで再度、拝観券のモギリが行われます。
奥宮へと通じる門です。
奥宮とは家康公が眠る場所。
そこへ至るまでは、200段以上の石段が待ちかまえています。
しかし、その前に門につながる回廊の上の部分を見上げてみましょう。
そこには、ひなたぼっこをしてまどろむような猫の姿があります。
眠り猫です。
彫刻自体はあまり大きなものではないので、見落とす人が多いのか、「↑ 眠り猫」という看板が出ています。
しかし、三猿もそうですが、有名なスポットはたいへん混み合いますので、あんまりゆっくりは見られないかもしれません。
そもそもここ、通路だしね。
眠り猫の裏側にはスズメがいるのですが、長居は難しいので、これは帰りがけに見るのがおすすめです。
まだ道のりは半分ですが、けっこうな文字数になったので、次回に続きます。