唐門前からこんにちは。
日光東照宮脳内散歩、後編です。
前編はこちら。
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坂下門から奥宮へ
さて、前編では表門から想像の象、三猿、陽明門ときて、眠り猫までやってまいりました。
さすがに彫刻続きで目も頭も疲れてきた頃でしょう。
ここからは体を使っていきますよ。
眠り猫がある坂下門から奥宮までは合計200段以上の石段を昇っていくことになります。
と言うとおじけづく方もいるかもしれませんが、途中には何か所かスロープ状のところもありまして、一気に行かなければいけないわけではありませんので、ご安心を。
周りは立派な杉の木に囲まれていますので、森林浴気分でのんびりいきましょう。
この杉の木ですが、立派過ぎて、奥宮まではあまり陽の光がさしません。
冬場は雪が溶け残って足元が凍結している部分がけっこうありますので、ご注意ください。
夏場はひんやりしていて、とても気持ちのいい場所です。
えっちらおっちら石段を昇りきると、拝殿手前に休憩所がありますので、そこで一息つくのもいいでしょう。
お茶の自動販売機が置いてあるので、水分補給もできます。
この休憩所から石段を何段か上ると拝殿前のスペース出るのですが、人出が多い時にはここでお祓いをしてくれていることがあります。
この奥宮は家康公のお墓がある場所なので、まずは拝殿前で挨拶代わりのお参りを。
拝殿から反時計回りで通路を進んで行くと、奥宮拝殿のちょうど裏側に屋根付きの釣鐘のような形の宝塔があります。
これが家康公の墓所です。
宝塔の周りをぐるっと巡って行くと、拝殿前に戻るわけですが、その手前に行列ができていることがよくあります。
ここには樹齢約600年という杉があるのですが、叶杉と呼ばれ、木のほこらに願い事をするとかなうと言われています。
上の部分は切り取られているので、枝葉などはありませんが、それでも高さは5mくらいあるでしょうか。
ほこら自体、人間1人くらいなら入れそうな感じの大きさです。
して、願いは本当にかなうものなのか。
私自身は、転職活動をしている時に、「仕事が決まりますように」という願い事をしたことがあり、すぐにかなったことがあります。
ただし、転職先が介護職だったので、願ったおかげか、単なる人手不足によるものか。
ちなみに叶杉関連のお守りは、ここ奥宮の拝殿そばにある番所でないと授かることができません。
再びえっちらおっちらと石段を降って、坂下門をくぐり、回廊の眠り猫があった裏側のスズメを眺めたら、拝観券のモギリをしていたところまで戻ります。
右手にあるのが祈祷殿。
タイミングによっては結婚式やご祈祷の様子を垣間見ることができます。
自分も厄除けなどのご祈祷を受けたい、という方は、日光東照宮まで問い合わせてみてください。
いよいよメインイベント
拝観券のもぎり場所を出て右に進み、祈祷殿の前を通り過ぎると、本社の入口がありまして、学校の昇降口みたいな造りになっていますので、靴を脱ぎ、靴箱に靴を預けて上がりましょう。
この本社ですが、本殿と拝殿、それらをつなぐ石の間で構成されており、ひっくるめて本社と呼ばれています。
廊下を進んで行くと拝殿にたどり着きまして、その奥に石の間と呼ばれる場所、そして本殿がありますが、拝殿から向こうは薄暗く、厳かな雰囲気が漂います。
一般参拝者は拝殿までしか立ち入ることはできませんので、ここからお参りをさせていただきましょう。
え、またお参り?
さっきもしたじゃん、と思うかもしれませんが、奥宮にあるのは人間である家康公のお墓で、ここ本殿は神様としての家康公である東照大権現をお祀りしている場所。
どちらもお参りしてしかるべき場所ではあるのですが、日光東照宮を神社として考えた場合、実はこっちの方がメインの場所だったりするのです。
東照宮内はお参りする場所がいくつもあるので、なんだかこんぐらがってしまいがちですが、そこはおさえておきましょう。
本社でのお参りが、日光東照宮のメインイベントです。
ちなみに、人出が多い時には、ガイド的な説明をしてくださる方がいて、昔の大名もこの拝殿までしか入れなかったんですよー的なお話が聞けることがあります。
さて、拝殿でのお参りを済ませたら、靴をはいて、正面へ進むと神楽殿があります。
眠り猫の手前ですし、普段は扉も閉まっているのでスルーされがちですが、5月に行われる例大祭の時には扉が解放され、中にある舞台で神楽の奉納が行われます。
では、右手に折れて、唐門の前に出ましょう。
最初はスルーしましたが、そろそろ目も落ち着いてきた頃だと思うので、じっくりと唐門の彫刻を堪能しましょう。
陽明門のきらびやかさとはまた違って、目が痛くなりそうな白さがまぶしいこの唐門、門なのになんで通れないのか、という疑問がわくかもしれません。
実は、通れます。
ただし、国賓以上であれば、という条件付きですがね。
唐門の左手には、神輿舎があり、中には3基のお神輿が収蔵されています。
建物外側の彩色も、中におさめられている神輿も見事ではありますが、見落としがちなポイントがありまして、実は、天井に天女が描かれています。
遠目に眺めるだけでは天女の姿はおがめませんので、なるべく近寄って見るのがおすすめ。
天から降る鈴の音
さて、陽明門を通って来た道をまた戻って行くことになりますが、門を出て階段を下ってすぐの辺りに、右に折れる道があります。
奥にあるのが本地堂、正式には薬師堂と言いますが、ここに鳴き龍があります。
本社と同じような昇降口タイプの靴脱ぎ場があるので、靴を脱いであがりましょう。
階段を昇ってお堂に入るのですが、この階段、1段1段が高さがある上に急です。
私、過去に帰り道でころげ落ちそうになりました。
お堂に入ったら反時計回りに廊下を進むと、天井に大きな竜が描かれたホール状の場所に出ます。
鳴き龍とは、この絵の下で拍子木を打ち鳴らすと音が反響して鈴のような音がするものなのですが、この反響音、聞く場所によってけっこう差が出ます。
きれいな鈴のような音が聞きたいのであれば、なるべく前へ。
しゃろんしゃろんと、本当に鈴をころがしたようなきれいな音が響きます。
あんまり後ろだと音の反響自体が聞こえませんです。
鳴き龍の音を楽しんだ後は、御本尊として祀られている薬師如来や、左右にはべる十二神将の仏像を拝むもよし、ここでしか手に入らない、鳴き龍と同じ音がするという鈴鳴龍守を授かるもよし。
ん、仏像?
そうなんです、この本地堂、仏様を祀っていつため、神社である東照宮の中にありながら、管轄としてはお寺なんです。
東照宮が建立された当時は、神様も仏様もあまり区別なく信仰されていたのですが、後の世になって、神様と仏様はきっちり分けなくてはいかんとされてしまい、仏様を祀るこの本地堂だけが切り離されてしまったのですね。
鳴き龍の実演をしてくれるのもお坊さんです。
なので、仏像にお参りする時は、パンパンと柏手を打たないようにご注意を。
さて、手水舎のところにある番所でおみくじやお守りを授かったら、後は表門を出て帰りましょう。
おっと、その時には、表門の仁王像など見物するのをお忘れなく。
これにて私流日光東照宮ナビゲーションは終了です。
お疲れ様でした!