テレビ東京で放送されているテレビドラマ『ゆるキャン△』。
原作はあfろさんのマンガで、アニメ化もされている作品で、実写版ドラマは2020年1月9日から放送がはじまりました。
原作もアニメも大好きな私としては、楽しみにしていたわけなんですが。
観ていると、なんかモヤるんです。
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お爺ちゃんからキャンプ道具を譲り受けたことがきっかけでキャンプをはじめた女の子、志摩リン。
一人静かにキャンプを楽しむリンと出会ったことがきっかけで、キャンプにはまっていく、わんこのように元気な少女、各務原なでしこ。
二人が通う高校の同級生で、野外活動サークルに所属する、ボケもツッコミも全力投球な個性的な女の子、大垣千明。
同じく野外活動サークルに所属し、ふんわりにこやかな雰囲気ながらも、時にでたらめなことを口にして楽しむ、犬山あおい。
リンの友人で、なでしこ達と関わるようになってからキャンプに興味を持ちはじめた斎藤恵那。
『ゆるキャン△』は、この5人の日常生活と交流、キャンプを楽しむ姿がのんびりとしたタッチで描かれている作品です。
物語は、まずリンが一人、自転車をえっちらおっちらこぎながら冬のキャンプ場へ向かうのですが、途中、ベンチの上で眠りこけるなでしこを発見するところからはじまります。
「あいつ、確実に風邪ひくな」と思いつつ、通り過ぎるリン。
そのままキャンプ場でチェックインし、テントを設営し、夜まで一人の時間を楽しむ…というものなのですが。
実写でこれを観た時のモヤモヤ感といったらありませんでした。
「いや、道端で高校生の女の子が眠りこけるなんて、犯罪に巻き込まれたらどうするよ!?」
私、原作も読んでますし、アニメも観ているので、ストーリーは全部知っているんです。
正直なところ、原作でこの第1話を読んだ時も、「いやいやいや、道端で寝るって(笑)」とは思ったんです。
でも、原作やアニメでは受け入れられた。
それなのに、実写ドラマでは何故にこんなにも気持ちがざわつくのか。
ざわつきポイントは他にも満載でした。
まず、なでしこのわんこっぷり。
無邪気と言うにも程がある、まるで小学生のようなハイテンションぶり。
ハイテンションぶりは千明にも言えることで、とにかく「いじめのターゲットになっていてもおかしくない」と他人事ながらハラハラしてしまうのです。
そもそも、女子高生が一人でキャンプって危なくないのか。
ドラマの視聴者ではなく、近所に住むおばちゃんのような感想ばかりがわいてくるのです。
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ドラマは原作の世界観をとてもよく再現していて、なでしこや千明のキャラクターも、原作やアニメの雰囲気がよく出ているんです。
にもかかわらず、何故、私は実写ドラマの時にだけこんなにも「現実ではあり得ない」というツッコミを入れているのだろうか。
キャラの言動が現実ではあり得ないのは最初からわかっているわけです。
しかし、リアルではイタイはずの言動でも、原作のやさしいタッチの絵柄と絶妙にマッチしているおかげなのか、原作やアニメでは観ているとほのぼのとした気持ちになれるのです。
あまり写実的ではないタッチが、絵本のような、おとぎ話のような感覚を覚えさせているからでしょうか。
いじめとか犯罪とかが無いやさしい世界。
でも、そういう雰囲気が実写ドラマの方には感じられない。
実際のキャンプ場で撮影しているのですから、あたりまえっちゃあたりまえなのですが、とことんリアルな風景の存在感が大き過ぎて、そこに存在するために何の工夫もされていない二次元そのままのキャラクターが浮いてしまっている。
演者の皆さんが既に大人の顔の造りをしていて、メイクもわりときっちりしているのがわかってしまうだけに、余計になでしこが年齢の割に空気が読めない感じがするのもつらいんですよね。
なでしこ役の方、すごくがんばってるとは思う。
思うが、しかし、それと観ていてつらいのはまた別の話なんですわ。
あと、千明の前髪。
あんながちがちにかためたパッツンではなくて、もうちょっと自然な感じではあかんかったのか…。
とは言え、実際のキャンプ場の景色であったり、実物のキャンプ道具が実際に使われる様子であったりが観られるというのはすごく魅力的ですし、ストーリーも角が立つようなところが無いので、それなりに楽しんで観ていられます。
たぶん、最終話までモヤりながらも観てしまうんでしょうね。